2012年3月1日,アーケード用2D対戦格闘ゲーム」の稼働がスタートした。
本作は,2008年にPlayStation 2用ソフトとして発売された「」のエンディングから2か月後の世界で繰り広げられる,主人公達の遭遇した新たな事件を描いた作品だ。2D対戦格闘ゲームの制作に定評のある,アークシステムワークスの「BLAZBLUE」チームと,アトラスの「ペルソナ」チームが共同開発したタイトルで,2012年の夏にはおよびも発売予定となっている。
本稿では,アークシステムワークス側のプロデューサー 森 利道氏と,ディレクターの井口屋タクミ氏に行ったインタビューの内容をお届けしよう。以前掲載した,インデックス(アトラス)側のディレクターであるとあわせてチェックしてほしい。
開発に至るまでの経緯と「ペルソナ」ブランドに対するイメージ
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本日はよろしくお願いします。最初に,今回の企画が生まれた経緯について,あらためてお聞かせください。
本作のプロデューサーを務めた,アークシステムワークスの森 利道氏 森 利道氏(以下,森氏):
ちょうど「BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT」の開発が終わった頃,アトラスさんから「BLAZBLUEのスタッフに『ペルソナ4』の格闘ゲームを作ってほしい」という連絡をいただいたんです。スタッフに「ペルソナ」好きが多かったですし,井口屋も「やってみたい」とのことだったので,彼にディレクションを任せることにしました。僕は基本的に,やる気のある人にはやりたいことをやらせてあげたいスタンスですので。
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なるほど。それからどういったミーティングが行われたのですか?
森氏:
まず条件として,アトラスさん側には「出来るかぎり,格闘ゲームの根本に関わる部分に対して,口出しはしないでほしい」とお願いしました。
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そこはウチの領域だから……ということですね。
井口屋タクミ氏(以下,井口屋氏):
アトラスさんも最初からそのつもりだったみたいで,「こういうものは,僕らが口出ししてもいい物はできませんからね」と言っていただけました。もちろん,ストーリーや世界観の部分に関しては,逆にしっかりと監修していただきましたが。
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システム側はアークシステムワークス,設定側はアトラスという形で,役割をしっかり分担していたのですね。
森氏:
ペルソナシリーズの世界観がありますので,システムの名称などについてはアトラスさんにお願いした部分はあります。ですが,キャラ性能やバランスについての注文は,本当に一切ありませんでした。格闘ゲームに関しては,こちらにもプライドがありますので。
本作のディレクターを務めた,アークシステムワークスの井口屋タクミ氏 井口屋氏:
「BLAZBLUEシリーズに関わったスタッフをきっちり入れてほしい」という形の依頼でしたので,仕事のやり方に関してもBLAZBLUEチームの流儀を考慮していただきました。事前ミーティングの段階で,今回の制作を担当するメインスタッフのリストと作品履歴を,アトラスさんにお送りしたくらいですからね。
森氏:
要するに,「BLAZBLUEに関わったスタッフというか,今BLAZBLUEを作ってるチームでそのまま作ってよ!」という話だったわけです(笑)。
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TGS 2011のイベントでも,橋野さんと和田さんが「安易な“版権モノ”で終わらせたくないから,アークシステムワークスに共同開発をお願いした」という話をしていましたよね。
森氏:
はい。なのでアトラスさんの意図もしっかり汲み取りました。「RPG的な要素は失いたくない」という要望には,世界観を尊重するという形でゲームに取り入れています。そのあたりはとくに綿密に打ち合わせを重ねました。
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スタッフにペルソナ好きが多いとのことですが,お二人はアトラスやペルソナシリーズに対して,どのようなイメージを持っていたのでしょう?
森氏:
BLAZBLUEに出演している磯村さん(※マコトの声優?磯村知美さん)が「ペルソナ3」の大ファンで,よく話を聞いていたんですが,僕自身は当時「女神異聞録ペルソナ」しかプレイしていなかったんですよ。でも,周囲にペルソナ好きが多いこともあって,作品やブランド対する印象は強かったです。
井口屋氏:
「ペルソナ」は長い歴史のあるブランドですよね。それを「ペルソナ3」から大胆に方向転換して,うまく若いファンを獲得することに成功した。そんなことはなかなかやれるものではないので,すごい開発チームだなという印象がありました。
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確かに,あの方向転換にはびっくりしましたが,まさに大成功でしたねぇ。
井口屋氏:
ウチにはRPGファンも多くて,「ペルソナ」に関してはグラフィックス面などで,多かれ少なかれ影響を受けているスタッフもいます。そういった意味では,かなり意識していたタイトルですよ。
森氏:
「ペルソナ3」の方向転換を当時の業界で成功させるのは,相当難しかったはずです。それを乗り越えてヒットさせたという点は,尊敬に値しますね。
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そういえばアトラスさんも,過去に格闘ゲームを作っていますよね。僕は「グルーヴ オン ファイト 豪血寺一族3」が大好きだったんですが。
森氏:
俺も「豪血寺一族」シリーズ嫌いじゃなかったぞ!
井口屋氏:
僕だってそうですよ!
森氏:
むしろ好きな部類。とくに「グルーヴ オン ファイト 豪血寺一族3」のキャラクターとシステムは,当時のプレイヤーに大きな驚きを与えましたよ。
井口屋氏:
「グルーヴ オン ファイト」も,方向転換を狙った作品でしたよね。ある意味オシャレな方向に……。
森氏:
大分シャレオツな感じだったよね。「村田蓮爾さんのデザインをこうするのか!」みたいな(笑)。あれは衝撃的でした。
真逆の思想で難航したステージ背景
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「P4U」はアトラスとアークシステムワークスの共同開発作品ですが,具体的にはどのように制作を進めていったのでしょうか。
森氏:
先程も言ったように,格闘ゲームとしての領分……つまりシステムやキャラクターのモーションなどは全部ウチで制作しました。そして,ペルソナチームには世界観やビジュアル,ユーザーインタフェースなどの制作/監修を行なっていただきました。
井口屋氏:
キャラクターのモーションについては,ウチでネタを出してから,ペルソナチームのOKを出してもらうという形でしたね。
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ペルソナチームとのやりとりの中で,印象に残った部分や,難航した部分はありましたか?
井口屋氏:
ステージの背景……ですかね。
森氏:
うん,大変だった。最初は,アトラスさんが何を言っているのか分からなかったもん(笑)。
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そういえば,アトラスの和田さんも,背景は大変だったとおっしゃっていました……詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?
森氏:
考え方の違いですね。格闘ゲームでは「舞台の上でキャラクターを戦わせる」というのが僕らのスタンスで,これは「GUILTY GEAR」や「BLAZBLUE」でも同じ感覚でした。
ですがペルソナチーム……とくに副島さんのイメージでは,“日常の一部”を切り抜いて,そこで戦っているように見せたかったそうなんです。これが当時,僕らには分からなかった。
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なるほど,そこは世界観の話にも繋がってきますね。
森氏:
僕らのやり方では,ステージにメインオブジェクトを配置することで,そこが和風なのか中華風なのか,ファンタジー風なのか……といったコンセプトをひと目で分かるようにしているんです。
ですが,ペルソナは学園モノなので,ステージも日常の一部という意識が非常に強かったんですよ。そのため,ドカンとメインオブジェクトを置くやり方は受け入れてもらえませんでした。
井口屋氏:
最初にイメージを提出したら「これがなんでここに置いてあるのかよく分からない」というダメ出しをたくさんいただきました(笑)。
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それは……予想外だったのでは。
森氏:
僕は目立つオブジェクトが大好きなので,見た瞬間に,そのステージがどういうコンセプトのものなのかが分からないと,違和感を覚えてしまうんですよ……。
とはいえ,「何としてでもペルソナの世界観を再現したい」という気持ちが強かったので,何度もアトラスさんに足を運んで,話をうかがいました。その場で絵を描いて,「こういうものですか?」「どう調整すればいいでしょう?」というところをすり合わせていきました。結果的に「日常と非日常のスキマ」を表現してほしいんだ,ということが分かるまで,ウチとアトラスさんを5往復くらいして話し合いました。
井口屋氏:
長かったですねぇ。ステージに関しては,当初の予定の倍くらいは時間がかかりました。
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実装されているステージの中で,「日常と非日常のスキマ」というコンセプトがもっとも分かりやすいものはありますか?
森氏:
校門のステージですね。一見,普通の校門なんですが,振動が起こるたびに,配置されているオブジェクトがテレビになったり,空にノイズが走ったりします。
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「GUILTY GEAR」や「BLAZBLUE」とはひと味違った面白いギミックですね。しかし,そこまで感覚が違うと,
pso2 rmt,制作も相当大変だったのでは?
森氏:
そうですね。僕らは画面を1枚の絵として捉えているので,1枚1枚のスクリーンショットが賑やかでカッコ良くないといけないんです。しかし,ペルソナに関しては「変化のある,見ていると面白い」という点を意識して作っています。日常と非日常を融合させるという意味では,この形が正しいのではないかと。
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しかし,ちょっと意外な部分で苦労されていたんですね……。
森氏:
めっちゃ苦労しましたね。むしろ,モーションとかに関してはそこまで大変じゃありませんでした。キャラクターの立ち絵ドットに対して,副島さんからのチェックは入りましたが,ステージ背景ほどではなかったです。
今後のスタンダードとなり得る「P4U」のシステム
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では,格闘ゲームとしてのシステム面に関してはいかがでしょうか。
森氏:
システムに関しては,井口屋のほうで「どうしてもやりたい」という部分があったので任せました。あくまで原作がRPGだという点に注意しつつ,それを格闘ゲームに落としこむという作業が,井口屋の頭の中ではしっかりと出来上がっていたみたいなので。
井口屋氏:
格闘ゲームとして,原作のペルソナを使った攻撃は必須ですし,RPGファンを引き入れるために,できるだけ簡単な操作を取り入れたいと考えたんです。
また,ペルソナチームからも「簡単なシステムでありつつ,ちゃんと“大会”に耐えうる仕様の格闘ゲームにしてほしい」という要望があったので,初心者と上級者が同じ土俵で戦えるように“連打コンボ”というシステムを搭載しました。
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BLAZBLUEシリーズでいうところの“スタイリッシュタイプ”の操作性とも,ちょっと違うシステムですよね。
井口屋氏:
はい。BLAZBLUEのスタイリッシュタイプは,シングルプレイではともかく,対戦の場で使われることはほとんどないんですよ。あまりにもシンプルな操作なので,初心者といえどもプライドが邪魔して対人戦では使いづらいんでしょうね。
それなら,初心者でも上級者でも必要に応じて使えるものにしようと,BLAZBLUEでいう“スタイリッシュタイプ”と“テクニカルタイプ”の中間を取った形で作らせていただきました。
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中間,と言いますと?
井口屋氏:
Aボタンを連打するだけで基本コンボが出るのですが,これは全キャラクターで必ずコンボが繋がることを保証しています。そこにほかのボタンと組み合わせることで,今まで通りの格闘ゲームが遊べるのです。
つまり初心者の方にはAボタンを連打してもらって,格闘ゲーム慣れしている方にはAボタンの後にBボタンを押してもらえばいい……という感じです。スタイリッシュとテクニカルを,上手く融合できたんじゃないかと思っています。
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なるほど,画期的かつ挑戦的なシステムですね。
森氏:
このシステムであれば,初心者でも比較的簡単に遊べるし,上級者がそう簡単に負けることもありません。これはあくまで僕らの見解なんですが,格闘ゲームのデザインに“運”を持ち込んではダメなんですよ。
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それはシステム的に,という意味でしょうか。
森氏:
はい。“運要素のあるキャラクター”はいてもいいんです。GUILTY GEARのファウスト(※ランダム出現の飛び道具持ち)や,BLAZBLUEのプラチナ(※ランダム出現の装備技持ち)などで勝ちを狙う場合,そのランダム性を考慮した戦術が必要になりますからね。
ですが,そこから離れた部分で,運で勝ててしまってはいけないんです。格闘ゲームは,経験と実力が勝っているプレイヤーが勝たないといけないんですよ。「P4U」のシステムに関して,「ただボタン連打してれば勝てるんじゃねぇの?」と思っている方がいるかもしれませんが,そんなことは決してありません。
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そんなに単純ではないということですね。
森氏:
はっきり言って,ボタンを上手く組み合わせて戦わなければ,対戦では勝てません。ただ,初心者用の入り口としては非常に優れているシステムであることは間違いありません。とりあえずAボタンを連打しているだけでも派手なコンボが繰り出せるので,確実に楽しいんですよ。
つまり「P4U」は,そういった色々な要素がひとつのシステムとして融合した作品となっているわけです。
井口屋氏:
「ハードルは低いが奥は深い」というのを目指して作りました。上級者と戦えば分かるんですが,Aボタン連打のみではそれっぽく戦えても,勝つのは難しいです。でも負けるほうも,一方的にやられるのではなく“それっぽく”は戦えるので,従来の格闘ゲームで遊んでいるよりも,楽しく練習できると思いますよ。
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なるほど。確かに基本コンボを正確に入力するという部分が乗り越えられれば,初心者でも駆け引きの楽しさが味わえるかもしれません。
森氏:
うまくいけば,この仕様が今後のスタンダードになるんじゃないか……とすら思っています。それだけの自信はありますよ。ですが,これが5年前や10年前だったら,受け入れられなかったかもしれません。
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それはなぜでしょうか?
森氏:
今はネットワーク対戦があるじゃないですか。家にいながら世界中のユーザーと対戦が楽しめる時代なので,当時と比べたら,格闘ゲームの間口は大きく広がっていると思うんです。それに加えて,現在進行形で盛り上がっているペルソナシリーズの人気ですね。そういう条件が重ならないと,「P4U」のように「これって面白いかも」「もっと強くなれるかも」とプレイヤーに思わせるシステムの,真の魅力は発揮できないんじゃないかと思います。
原作再現への強いこだわり
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P4Uには“バッドステータス”といった要素も盛り込まれていますが,これはペルソナファンにとっては分かりやすいシステムですよね。
井口屋氏:
そうですね。プランナー陣との話し合いで,「ペルソナ4」を遊んでいる人が「ニヤリ」とできるようなシステムにしようということになったんです。“ボコスカラッシュ”などもそうですが,原作で特徴的なシステムはできるだけ再現したいと考えました。
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格闘ゲームでバッドステータスというのは,ゲームバランスを考えると,再現するのが相当難しいとおもうのですが。
井口屋氏:
別のゲームでも似たようなシステムはありますが,P4Uほど多くのバッドステータス技が登場する作品は,さすがに存在しないでしょうね。
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格闘ゲームだと毒はまだしも,感電なんかはシャレになりませんよね……。ゲームに落としこむためには,かなり色々と考えられたのでは?
井口屋氏:
かなり試行錯誤しましたね。開発中はとんでもなく強かった時期もあったんですが,現在では戦略の幅を広げる要素として活用していけます。
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中でもとくに気になったのが,マカの……いや直斗が持つ即死技の“ハマオン”と“ムドオン”なんですが。
井口屋氏:
やはり,直斗といえばそれですよね(笑)。アークシステムワークスでは他作品でも,即死攻撃という要素を入れていますが,直斗はそれを戦略的に活用できるキャラクターとなっています。独自システムとして“運命カウント”というものがありまして,これを「0」にした状態でムドオンやハマオンを当てると,相手を即死させられるんですよ,
アラド RMT。
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BLAZBLUEの“アストラルヒート”的な一撃必殺技ともまた違うんですよね。
井口屋氏:
一撃必殺技は全キャラに別途存在するのですが,直斗のみ,超必殺技でも即死効果を与えられるんです。つまり,直斗だけが即死技を多く持っていることになりますね。とはいえ,やはり格闘ゲームですので。ムドオンやハマオンに頼らなくても戦えるキャラクターにはなっていますよ。
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ちなみに,ペルソナを使用した戦いとなると,やはり「ジョジョの奇妙な冒険」の格闘ゲームを連想せざるを得ないのですが……正直なところ,意識した部分はあるのでしょうか?
森氏:
チャカには勝てる気がしなかったです(笑)。
井口屋氏:
いやぁ,やっぱりペット?ショップがおかしかったですよ。攻撃が当たらないんですもん!
森氏:
まぁ冗談はさておき,ハッキリ言ってあの作品を「意識せずに作りました」……なんて言ってもウソですよね(笑)。
井口屋氏:
ウチのプランナーの机の上に置いてある,ドリームキャスト版のソフトを隠さなければならなくなりますね(笑)。ただ,最終的に出来上がったゲームはほとんど似ていないんですよ。習うべき場所は習い,ウチのスタイルを出すべきところは出す……という形で,他の格闘ゲームと同様参考にした部分はあります。
森氏:
まぁジョジョに限った話ではないんですけどね。「GUILTY GEAR」にも,影を自在に操るエディがいましたし。P4Uの場合,ペルソナが存在する以上セットプレイが中心になるのは必然ですし,そういった意味では意識しているという感じでしょうか。
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まぁ実際に遊んでみれば,プレイフィールがまったく異なっていることはすぐに理解できますね。
原作の再現といえば,りせちーによる実況も重要なポイントとなっていますね。これはアトラス側からの要望なんですか?
森氏:
あれは井口屋が「入れたい入れたい!」と言っていたシステムです(笑)。
井口屋氏:
アイデアは私が出しました。原作におけるりせちーの大切な役割ですし,ペルソナチームの和田さんも最初から乗り気でした。
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そういった要素が充実していると,原作ファンとしては本当に遊びやすいですよね。
森氏:
実況といえば「ワールドヒーローズ」が有名ですが,向こうがレトロな実況なら,ウチはスタイリッシュな実況です! なんたって釘宮理恵さんですから!
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くぎゅううううううう!!!! ……セリフのパターンは,どのくらいあるのでしょうか?
井口屋氏:
400から500パターン近くありますね。ペルソナチームもさまざまなアイデアを出してくれまして,ストーリーとも絡む面白いシステムになっています。
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対戦とシングルプレイでは実況の内容が変化するんですよね。
井口屋氏:
はい。シングルプレイだと実況,対戦だとナビゲーターになります。
森氏:
「P4U」にはそういった“遊び”の要素がたくさん入っています。いかにスタッフが楽しんで作ったか,ということが分かると思いますよ。
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